さらさら
たった2時間もしない時間だったけれど、わたしは今日この瞬間を忘れないようにしようって何度もおもった。
初めて会うひとに会うのはいつでも緊張する。初めて会うのじゃないひとに会うのだって緊張するのに。
自分のことを臆せず話してくれる人だった。わたしは昔から自分のことを話すのが好きだったのに、自分のことをあまり話さないのがかっこいいと思って、自分のことを話す口がいつからか重くなってた。
壁にたくさんはっていた絵のひとつを剥がして、その人にあげた。その人はわたしの目を見て、嬉しいありがとう大切にするね、飾るね、って言ってくれた。素直に気持ちを話すひとはとても快活な目をしていて、自分の視界と合わせるのにどきどきした。
あげるね、って貝くれた。ポケットにいれて持って帰ろうって。江ノ島ビールと、鎌倉ビールを、由比ヶ浜の海を見ながらのんだ。すごく楽しかった。「いつから〜だったんだろう」って考えるのをやめれたらいいなって思った。
よすか。もしかしたら。