はらはら
命が繰り返すのならば
何度も君の元へ
たとえば人生の距離をXとして、わたしの寿命をYとする。私たちは一体どれほどのスピードで生きているだろうか。いったい秒速どれほどなのだろう。だなんて。
旅をした。小さな旅。
ハチクロの読みすぎだから、自転車ひとつにロマンを覚えられる。どこまでいけるだろう、この原始的な道具で。どこまでわたしは進めるだろう、私にとっての前に。
景色から伝わる懐かしさがすごい。
でも、懐かしいと親しみを覚えるよりも「戻れないのだなあ」とかんじてしまう。ネガティヴだからかな……(笑)
迷い込みたい。
迷い込んで、帰れなくなって、帰りたいと思いたい。そうしてそのうち、帰りたくない、と思いたい。幻想と現実が入り混じったノスタルジックな空間。
帰りたいのに帰りたくなくなった。見たこともない道なのに、どこか見たことがあって、どうしてだろう。少し怖くなった。こんなにもよく知っている、知らない街。
一緒に帰ろうよ、なんて言わなくても、自然と隣にいた友達。当たり前のように一緒に過ごして、嘘みたいに眩しい時間を共にした。今もまだ、チャイムが鳴るのなら君と一緒に帰れるだろうか。あの時の「当たり前」を感じれるだろうか。
でも私は、「戻りたい」のかよくわからない。「本当は」なんて、薄っぺらくてその場限りで、使いたくない。
でも本当は、怖いんだ。
私も「またね」って言いたい
あわよくば「また明日ね」と言いたい
半強制的に人と会いたい。仕方なく会ってるんだって、そんな楽すぎる怠惰な人間関係を繋げたい、繋ぎたい。
「また明日も会うんだから」って、言おうとしたことを呑み込む辛さを覚えずに、先に望みを残しておきたい。きっと大丈夫、をもっと自分に投げかけたい。もっと自分に優しくありたい。今も充分甘えているけれど。
旅の終わり、帰らなきゃと思った。帰りたくなくても、「明日も生きるんだ」って思っているから、帰りたいと思った。これは情けないの?物分りがいいの?当たり前なの?偉いかな、弱いかな。
もしもこの踏切が、通過するまでに鳴り始めてしまったら。どうする?
何かわたしと約束しようか。
それとも、秘密を共有しようか。
ふたりだけの
もしも____だったら
きっと____
振り返ってもしもあなたがいなかったら私は泣くだろうか、ホッとするだろうか。
大嫌いだけど大好きで、突き放したいのにそれをできずにいる不思議な存在。いますか?
なんで、どうして、どうしたら、どうしても、いつか、きっと、ぜったい、そして
また明日ね
会えると分かっていれば大丈夫
つながっていると分かっていれば
だいじょうぶ、こわくない
あしたを生きてみよう、あなたと
寝ないとだめだよ!もう寝よう!
おやすみなさい
おまけ
永遠に形に残そう
どんな形でもいいの?
枯れてもなお生きているもの
わたしは花になりたい
その姿たとえ老いたとしても
形あればこそ、形あればまた
香り失くしたとしても
いいや、そんなことはない
好かれたままの形でいたい
好かれる姿であり続けたい
あなたに、だれかに、皆に
でもこんな姿でも良いというのなら
乾いたとしてもずっとありつづけよう
あなたの腕の中に、眠ろう
おやすみなさい